本ページでは有機フッ素化合物に関する情報や沖縄県企業局の取り組みを発信しています。また県民の皆さまから寄せられたよくある質問も掲載しています。
企業局における有機フッ素化合物の検出状況についてはこちら
主な更新情報
2024.08.05 時点修正、コンテンツ並び替え、リンク修正
2024.02.27 時点修正(IARC関係)、コンテンツ並び替え、リンク追加 |
〇よくある質問(FAQ)
環境省から公表された「PFOS、PFOAに関するQ&A集」は
こちら(環境省HPリンク)
健康影響(血中濃度、がん発症、低体重児の発生等)は
こちら(沖縄県HPリンク)
県民の皆様から寄せられた、よくある質問にお答えします。
Q-1 私の住んでいる地域は、どこの浄水場の水が来ていますか?
浄水場ごとの供給市町村は下記表のとおりです。市町村によっては、複数の浄水場から供給を受けていますが、市町村内の各地域へどのように給水するかは、その市町村の水道部局※が決めています。詳細情報が必要な場合、お住まいの市町村の水道部局にお問い合わせください。また、水道部局のHPで確認できることがあります。
※「水道局」「水道部」「上下水道局」等、市町村ごとに名前が異なります。
浄水場名 |
供給市町村 |
名護浄水場 |
・名護市・本部町・今帰仁村・恩納村・伊江村 |
石川浄水場 |
・うるま市・金武町・恩納村・読谷村・嘉手納町・沖縄市・北中城村・中城村
・西原町・那覇市・豊見城市・糸満市・南風原町・八重瀬町・南城市 |
北谷浄水場 |
・北谷町・沖縄市・北中城村・中城村・宜野湾市・浦添市・那覇市 |
西原浄水場 |
・西原町・浦添市・那覇市・与那原町・南城市・豊見城市・糸満市・南風原町
・八重瀬町 |
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Q-2 私の住んでいる地域の水道水のPFOSは問題ありませんか?
企業局では浄水場の浄水について定期的にPFOS等検査を行い、結果を公表しています。(検査結果はこちら)
北谷浄水場も含め浄水のPFOS等濃度は、全て国が定める暫定目標値(PFOS及びPFOAの合計として50ng/L)より低いレベルにあることから、安全性は確保されているものと考えています。
なお、市町村の水道部局もPFOS等検査を実施している場合があります。当該情報が必要な場合、お住まいの市町村の水道部局までお問い合わせください。また、水道部局のHPで確認できることがあります。
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Q-3 水質基準値と水質管理目標設定項目の目標値はそれぞれどのような値ですか?
水道水の水質基準は水道法第4条および水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により定められています。大腸菌や一般細菌の水系感染症関連項目や重金属、化学物質などを含む健康関連31項目と色度、濁度や臭気物質などの生活上支障関連20項目が設定されており、水質管理目標設定項目は、影響の評価値が暫定であったり、検出レベルは高くないものの水道水質管理上注意喚起すべき項目として設定されています。
水道事業者は水質基準を超えないよう遵守義務があり、万が一基準を超過する場合、健康関連項目については、超過が継続する見込みがあり、人の健康を害するおそれがある場合には摂取制限や取水及び給水の緊急停止措置が検討されます。生活上支障関連20項目については、生活利用上または施設管理上障害が生じるおそれがある場合は原因究明と必要に応じて低減化対策を実施することとなります。
水質管理目標設定項目の目標値については法令上の規制はありませんが、水質基準に準じて実施に努めることとされています。
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Q-4 浄水器で低減できますか?
PFOSとPFOAについては、活性炭による吸着や、RO膜(一部のNF膜)ろ過により低減されることが報告されていることから、処理方法としてこれらの原理を採用した浄水器で低減できる可能性がありますが、個別の製品の低減効果についてはそれぞれの浄水器製造会社の試験結果等をもとに確認する必要があります。
また一般的に、いずれの処理方法でもろ過材の除去性能を維持するための適切なろ過材などの管理(交換等)が必要となりますので使用に当たっては交換頻度に留意する必要があります。
<参考>
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Q-5 浄水場原水のPFOS等濃度が、年間で変動するのはなぜですか?
変動要素としては降雨等による水源濃度の変化や取水量の変化があります。
また、水事情が良好な場合は、中部河川や嘉手納井戸群の取水を停止・抑制した運用を行っていることから、取水抑制中は濃度が低減します。 ↑FAQリストへ戻る
Q-6 ng(ナノグラム)とはどのような量でしょうか?
n(ナノ)は10のマイナス9乗(10-9)で、1ng/Lは1リットル中に1グラムの10億分の1が入っているという意味です。
25mプールで考えると0.54mg、塩ですと小さい粒4、5粒程度、大きい粒だと一粒で超えてしまう量が入った状態です。
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Q-7 浄水場から排出される浄水発生土や使用済みの活性炭には含まれているのでしょうか?
北谷浄水場の原水に含まれるPFOS、PFOAは水中の懸濁物質へ吸着する性質があることから、懸濁物質を凝集沈殿して生成される浄水発生土には一定濃度のPFOS等が含まれていますが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき「汚泥」として適正に処分しています。(詳細なデータについてはこちらをご確認ください。)企業局では今後とも関係法令に従い適正に処分を行っていきます。
また、浄水場の粒状活性炭吸着池で使用している粒状活性炭も、水中のPFOS等を吸着する働きがあることから、使用後の活性炭は一定濃度のPFOS等が含まれています。企業局では「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、「燃えがら」として焼却処分を行っています。
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Q-8 PFOS等が検出されているのは沖縄県だけですか?
PFOS等については、高濃度で含有されていたことから泡消火剤が注目されていますが、これまで様々な商品等に使用されてきたことから、県外においても検出されています。詳細は環境省のHPをご確認ください。
《参考》
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Q-9 沖縄県内でPFOS等を測定できる水質検査会社はありますか?
国が定めた水道法第20条第3項の規定に基づき、登録された検査機関が県内にあります。お近くの検査機関にお問い合わせください。
《参考》
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Q-10 浄水場で泡消火剤は使われていませんか?
企業局では、浄水場や関連施設を含め、PFOS等含有泡消火剤を使用及び所持していません。
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有機フッ素化合物に関する一般情報
1.PFOS、PFOA、PFHxS、有機フッ素化合物とはなんですか?なぜ問題になっているのですか?
PFOS、PFOA、PFHxSとはそれぞれパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)のことであり、有機フッ素化合物の一部です。PFOS、PFOA、PFHxSを含むパーフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物を合わせてPFASと略称されています。
PFOSやPFOAは撥水・撥油性や耐熱性、耐薬品性、化学的な安定性などの有用な特性を持っていることから、1940年代から工業や家庭用品に利用されてきました。PFHxSはPFOSやPFOAと同様の性質を持つため、代替品として使用されてきました。PFOS、PFOA、PFHxSは、その有用性の反面、環境中で分解しにくく、環境残留性や生物蓄積性があることが知られており、動物実験における健康影響が報告されていることから、近年、各国で健康への影響や環境リスクが議論されています。
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2.PFASはどのようなものに使われていますか?
PFOS、PFOA、PFHxSを含むPFAS(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)は以下のような様々な用途に利用されていたことが報告されています。
・食品パッケージ・・・耐油、防水加工されたパッケージ製品(例:ポップコーンバッグやファストフードの包み紙・容器等)
・防水、耐水およびシミ防止加工された布製品・・・カーペットや室内装飾、衣類やその他の生地
・化粧品、パーソナルケア製品・・・シャンプーやデンタルフロスそして化粧品
(例:リップメイク、ファンデーション、コンシーラー、マスカラ等)
・床・自動車・ボート等に用いるワックス類
・工業用途・・・・・・・フッ素樹脂の製造助剤(PFOA)、金属・ガラス等のエッチング剤、金属メッキ工程、
半導体工業等(PFOS、PFHxS)、布・紙製品製造
・水成膜泡消火剤・・・・空港、屋内駐車場、給油所の消火用薬剤
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3.ヒトのPFASの摂取(暴露)経路は?
PFAS(パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)は幅広い分野で製造・使用されている上、環境中における移動性や残留性があることから、様々な経路から暴露されていると考えられています。
過去のさまざまな報告事例によると、以下の経路からの摂取の可能性があるとされています。
・消防やPFASを製造・使用する化学工場における勤務
・飲料水
・食品
・土壌
・大気
・PFASを用いた製品から出るほこりや繊維の吸引
・PFASを用いた製品の使用、PFASを含む材料でパッケージされた製品の使用
日本国内におけるPFOS、PFOA暴露の状況については、環境省が平成20年に実施した「化学物質の環境リスク評価(第6巻)」で一般環境大気、飲料水、地下水、公共用水域・淡水、食品からのPFOS暴露量が評価されており、平均暴露量は食品が0.52ng/kg体重/日(総暴露量の93%)と最も多く、飲料水は0.039ng/kg体重/日(7.0%)でした。
また、食品(飲料水含む)由来のばく露量について環境省が平成23年度に中国四国の2地域及び九州沖縄の1地域で実施した「ダイオキシン類をはじめとする化学物質の人へのばく露量モニタリング調査」によると、調査対象者15人のばく露量平均値は PFOS 0.57ng/kg 体重/日、PFOA が 0.69ng/kg 体重/日とされています。
さらに農林水産省が平成24、25年度に東京、大阪、福岡地域で実施したトータルダイエットスタディでは、食品(飲料水含む)からの一日摂取量はPFOA 0.075~0.79ng/kg 体重/day、PFOS 0.69~1.2ng/kg 体重/dayであり、PFOAの主なる寄与は魚介類が90%、藻類が10%。PFOSは魚介類の寄与が100%と報告されています。全年齢の平均体重54.9kgを乗じると、食品由来の一日PFOS摂取量は38~66 ng/日でした。
《参考》
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4.PFOS、PFOA、PFHxSの健康影響に関する情報を教えてください。
現在の科学的研究は、PFASの高濃度曝露によって健康へ悪影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。ただし、様々なPFASの様々な濃度による曝露で、どの様な健康影響を及ぼすのかについてはまだ研究段階で、最終的な結論は得られていません。特に子供の長期間にわたるPFASの低濃度曝露に関連する健康影響についての研究も進められています。
PFOSについて
PFOSは、自然環境中では分解されにくく、高い蓄積性を有するなどの特徴があります。ヒトにおける生殖影響や高曝露後の急性毒性等に関するデータはほとんどありませんが、動物においては曝露した動物の胎児に影響を及ぼすことや中程度の急性毒性(消化管と肝臓に影響、軽度の皮膚刺激・眼刺激)を引き起こすといった報告があります。発がん性では、国際的に主要な評価機関による評価がなされておらず、ヒトの疫学データから発がん性があるとのデータは得られていません。
PFOAについて
PFOAは、自然環境中では分解されにくく、高い蓄積性を有するなどの特徴があります。ヒトにおいて皮膚に付着すると発赤、痛みを、眼に入るとかすみ眼を、吸入すると咳や咽頭痛を、経口摂取すると腹痛や吐き気、嘔吐を生じるといった症状が報告されています。PFOS 同様、PFOA もヒトにおける生殖影響や高曝露後の急性毒性等に関するデータはほとんどありませんが、動物実験において胎児の発生毒性等の報告があります。
PFHxSについて
PFHxSは、自然環境中では分解されにくく、高い蓄積性を有するなどの特徴があります。PFHxSはヒトにおける高曝露後の急性毒性等に関するデータはありませんが、動物実験において血液学的な影響、甲状腺への影響、肝臓への影響、神経伝達系への影響などが観察された報告があります。発がん性については、国際的に主要な評価機関での評価はなされていません。
《参考》
発がん性について
国際がん研究機関(IARC:International Agency for Research on Cancer)は、世界保健機関(WHO)の一機関で、発がん状況の監視、発がん原因の特定、発がん性物質のメカニズムの解明、発がん制御の科学的戦略の確立を目的として活動しています。
IARCは、2023年11月30日にPFOSを物質特性の知見等から「人に対して発がん性がある可能性がある」グループ2Bに分類しました。またPFOAをヒトに対するがんの証拠は不十分であるとしながらも、実験動物、物質特性の知見等から「人に対して発がん性がある」グループ1に分類しました。なお、PFHxSは分類されておらず、発がん性との関連についての記述はありません。
IARCでは、ヒトに対する発がんの原因となり得るかどうかの根拠が、どれぐらいあるかで分類を行っています。ヒトが実際の生活環境下で摂取したときに、実際にがんが発生する可能性の大きさと、その影響の程度(リスク)を示すものではないことに注意が必要です。
今後は評価機関において、危害要因特性評価、ばく露評価を行い、PFOS等の最終的なリスク評価がなされる予定です。
・IARC発がん性分類について
グループ1 :人に対して発がん性がある。
以下のうちいずれかに該当する場合に適用されます。
・ヒトにおいて「発がん性の十分な証拠」がある場合
・実験動物において「発がん性の十分な証拠」があり、
かつ、ヒトにおいて発がん性物質としての主要な特性を示す有力な証拠がある場合
例:たばこ、アルコール飲料、加工肉、太陽光、木材のちり
グループ2A :人に対しておそらく発がん性がある。
以下のうち少なくとも2つを含み、その中に暴露を受けたヒトまたはヒトの細胞もしくは組織のいずれかに係るものを少なくとも1つ
含む場合に適用されます。
・ヒトにおいて「発がん性の限定的な証拠」がある
・実験動物において「発がん性の十分な証拠」がある
・「作用因子が発がん性物質の主要な特性を示す有力な証拠」がある
例:非常に熱い飲み物(65℃以上)、シフト勤務、赤肉、工芸ガラス製造
グループ2B :人に対して発がん性がある可能性がある。
前述のうちいずれか1つのみを含む場合に適用されます。ヒトではなく、実験動物を用いた発がん性試験のみに由来する証拠や、
実験系において「作用因子が発がん性物質の重要な特性を示す有力な証拠」だけで適用されます。
例:大工及び建具業、ガソリン、漬物、消防士としての業務上ばく露、鉛
グループ3 :ヒトに対する発がん性について分類できない。
他のグループに分類できない作用因子は一般にこのカテゴリーに分類されます。
《参考》
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5.日本国内の規制はどうなっていますか?規制値の成り立ちは?
水道水質基準項目と基準値
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令により定められており、現在は51項目となっています。 そのほか、水質管理上留意すべき項目として「水質管理目標設定項目」(27項目)が、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでなく、今後必要な情報・知見の収集に努めていくべき項目として「要検討項目」(46項目)が、それぞれ定められています。これらの基準値等は、日本全国で統一した値となっています。基準値の詳細については環境省のHPをご覧ください。※
なお、厚生労働省は令和2年4月に、PFOS及びPFOAを「水質管理目標設定項目」に位置づけており、暫定目標値をPFOSとPFOAの合計で50ng/Lと設定しています。また、令和3年4月に、PFHxSを「要検討項目」に位置づけておりますが、目標値は設定されていません。
※国の上水道に関する行政はこれまで厚生労働省が担ってきましたが、令和6年4月1日から国土交通省(水質以外)と環境省(水質関係)に移管されました。
《参考》
水質基準逐次改正検討会
水質基準の各項目及び基準値はWHOの飲料水水質ガイドラインや健康影響等に関する研究・調査などの最新の科学的知見、諸外国の基準値等の設定状況、検査技術等を参考に、関連分野の専門家からなる水質基準の見直しのための常設の専門家会議である「水質基準逐次改正検討会」で総合的に検討し、環境省が決定しています。
《参考》
PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議
水道水及び環境水に係る水質基準等のうち、PFOS及びPFOAについては「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」で別途検討されています。
《参考》
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6.諸外国の飲用水に関する規制はどうなっていますか?リスク評価の違いは?
現時点ではWHOにおいてPFOS,PFOAのガイドライン値は定められていません(現在、暫定ガイドライン値の案が公開されています。)が、諸外国等において、飲用水のガイドライン値等が定められている例があります(下表に例示)、その値は各国がそれぞれに参考にした動物実験等に基づくリスク評価を元に算出されています。
国によって動物実験等におけるリスクとしたエンドポイント(症状)が異なり、各国独自の考え方で行われています。
表 諸外国のガイドライン値例
諸外国等 |
基準値等 |
リスク評価のエンドポイント(健康影響)の種類 |
WHO
(2022) |
暫定ガイドライン値の案
PFOS: 100ng/L
PFOA: 100ng/L |
健康への悪影響に関する研究について、不確実性が残るため、暫定ガイドライン値として提案。世界的なデータ、利用可能な分析方法、処理の実現可能性、各国の評価値を考慮している。 |
カナダ
(2018) |
飲用水のガイドライン値
PFOS: 600ng/L
PFOA: 200ng/L |
PFOS:ラットの発がん性試験
PFOA:幹細胞肥大、壊死 |
米国
(EPA)
(2024) |
国家飲料水規則
PFOS: 4ng/L
PFOA: 4ng/L |
測定可能な最低濃度、有効な浄水処理技術、実行可能性を考慮しつつ、既知または予測される健康への悪影響が発生せず十分なマージンを確保できる濃度を設定した。 |
ドイツ
(2017) |
PFOS: 100ng/L
PFOA: 100ng/L |
PFOS:ラットの 肝細胞肥大、サルのコレステロール減少、マウスの免疫系への影響
PFOA:インフルエンザウイルス抗体価の減少、サルの肝重量増加、マウスの乳腺発育遅延 |
オーストラリア
(2017) |
飲用水に関する品質値(quality value)(ガイドライン値)
PFOS: 70ng/L
PFOA:560ng/L |
PFOS:ラットの母体及び児の体重増加抑制
PFOA:妊娠マウスへの投与により胎児の骨形成低下や雄の出生児の性成熟促進 |
リスク評価の方法は主に動物実験において得られたNOAEL(無毒性量)を、動物実験の結果をヒトに置き換える際に用いるUFs(不確実係数積)で割って、ヒトに対する“この量以下ならば、ヒトが生涯毎日摂取(暴露)しても病気などの有害な影響が出ない量”という値であるTDI(耐用一日摂取量)を求める方法で行われます。UFs(不確実係数積)は、リスク評価で使用された動物種による種差(10)や感受性の違いである個人差(10)を考慮して設定され、一般的にはそれらの積(掛け算)で求められた100を基本の値とします。さらに、調査期間や信頼性などの項目で不確実なものがあれば、その係数を追加し、すべての係数の積(掛け算)で求められます。
TDI(耐用一日摂取量)=NOAEL(無毒性量)/UFs(不確実係数積)
さらに水道水のガイドライン値等の算出は各国が独自で設定する「体重」、「TDIへの水道水分の割当率」、「一日摂取量」を用いて計算されます。各国の設定例は下表のとおりです。
ガイドライン値等=TDI×体重×水道水の割当率/一日当たり摂取量
表 ガイドライン等の算出に用いられる各国の設定値
|
TDI(ng/kg体重 /日) |
体重(kg) |
飲料水の割当率(%) |
一日当たり摂取量(L) |
カナダ |
PFOS 60
PFOA 21 |
70 |
20 |
1.5 |
ドイツ |
PFOS 28.6
PFOA 20.37 |
70 |
10 |
2 |
オーストラリア |
PFOS 20
PFOA 160 |
70 |
10 |
2 |
日本 |
PFOS 20
PFOA 20 |
50 |
10 |
2 |
《参考》
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7.関連規制の情報
PFOS、PFOA及びPFHxSについては、環境中への残留性や生物蓄積性の懸念があったことから、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」で製造・輸入および使用の規制(一部適用除外あり)が行われており、日本などの条約を締結している加盟国は、各国がそれぞれ条約を担保できるように国内の諸法令で規制することになっています。
PFOSは、平成21年のPOPs条約の第4回締約国会議において、附属書B(制限)への追加が決定されており、令和元年の第9回締約国会議で、一定の条件下で製造又は使用を認めることが許容される「許容される目的」として「ハキリアリの防除に用いられる防虫剤」、個別の登録により製造又は使用を許容される「個別の適用除外(エッセンシャルユース)」として「リサイクルに限定された金属めっき(硬質金属めっき)」及び「液体燃料から発生する蒸気の抑制及び液体燃料による火災のために配備されたシステム(移動式及び固定式の両方を含む。)における泡消火薬剤」に限られることになりました。
国内法では平成22年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下、化審法)」の第一種特定化学物質に指定され、製造・輸入が原則禁止されました。
PFOAは、令和元年のPOPs条約の第9回締約国会議において附属書A(廃絶)への追加が決定されており、令和3年に化審法の第一種特定化学物質に指定され、製造・使用・輸出入が原則禁止されました。
PFHxSは、令和4年のPOPs条約の第10回締約国会議において附属書A(廃絶)への追加が決定されており、令和5年に化審法の第一種特定化学物質に指定され、製造・使用・輸入が原則禁止されました。
欧州連合(EU)では、PFOS、PFOAともに「化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則(REACH規則)」で製造・上市及び使用が規制されており、米国では有害物質規制法(TSCA)でPFOS、PFOA等の成形品の輸入に対する届出を規定しています。
なお、泡消火薬剤等は当面の間、化審法上使用が認められておりますが、省令に定める技術上の基準に従い、保管、表示、訓練及び点検において厳格に管理することとされています。
国内における環境法令においては、PFOS及びPFOAが公共用水域及び地下水から検出されている状況や、令和2年4月に水道水に係る暫定目標値が設定されたことを踏まえて、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の要監視項目に「PFOS及びPFOA」が追加され、暫定指針値が0.00005 mg/l (50ng/L)以下と定められました。
また、PFOSを使用した製品の製造・使用段階等から排出されたものを廃棄処理する場合は、「PFOS含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」に従い適正に処理することが求められています。
《参考》
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沖縄県企業局と有機フッ素化合物
有機フッ素化合物(PFOS等)が、北谷浄水場の水源である中部水源のうち、比謝川、天願川、嘉手納井戸群において、他水源と比較して高濃度で検出されています。
北谷浄水場の供給先市町村はよくある質問をご確認ください。
8.水道水のPFOS等検出状況はどうなっていますか?
企業局におけるPFOS等検出状況は、下記のリンクよりご確認ください。
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9.水道水の安全をどのように確認していますか?
企業局では、年度ごとに策定している水質検査計画に基づき、水質管理目標設定項目であるPFOS及びPFOA、要検討項目であるPFHxSについて検査を行い水道水の安全を確認しています。また、独自に水源での濃度監視を行っており、浄水場での濃度上昇が懸念される場合においては検査頻度を増やし、浄水場水運用の参考とする等の確認を行っています。
各地点の検査頻度はこれまでの調査結果における検出状況(濃度、変動)などを勘案して決定しています。
○検査頻度(水質検査計画)
・北谷浄水場 入口、出口、水源 月1回以上
・石川、西原、名護浄水場 入口、出口 年4回
・久志浄水場 入口、出口 年1回
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10.PFOS等問題にどのように取り組んでいますか?
県民の皆様から大きな関心が寄せられているPFOS等問題について、企業局の取り組みを紹介します。
取組1 中部水源からの取水停止・抑制
北谷浄水場の水源である中部水源のうち、比謝川、天願川、嘉手納井戸群から、比較的高濃度のPFOS等が検出されています。
企業局では、これまで硬度低減化対策として水事情が良好な時期に中部水源からの取水を停止・抑制していましたが、令和2年度にPFOS及びPFOAが水質管理目標設定項目に位置づけられて以降、この運用を強化しPFOS等の低減を図っています。
あわせて北部ダムからの取水を増やし、北部ダムからの導水量が制限される東系列導水路トンネルの改築工事期間中においては漢那ダム及び金武ダムからの取水量を一時的に増加させる(取組9参照)等の水運用を行っています。
なお、嘉手納井戸群については施設の維持管理上最低限の取水を行う必要があるため、PFOS等濃度の高い井戸からの取水を停止しています。
また、長田川については、令和6年3月に取水ポンプ場の取水堰関連工事が完了したことにより、比謝川下流部からの回り込み(取組5参照)がなくなり、PFOS等濃度上昇のおそれがなくなりました。そのため取水停止・抑制の対象外とし、今後も河川及び浄水場入口の濃度を確認しつつ、取水することとしています。
今後もダムの貯水率や降水状況等を注視しながら水運用を行い、可能な限り中部水源の取水停止・抑制を行っていきます。
取組2 水源モニタリング調査
企業局では北谷浄水場の水源のうち、これまで高いPFOS等濃度が確認されている水源について、その汚染状況及び濃度の動向を把握するため、モニタリング調査を行っています。また、確認されたデータを元に水運用を切り替えることで、浄水のPFOS等濃度低減を図っています。
モニタリングの場所は以下のとおりで、頻度は月1回以上となっています。それぞれの検出濃度は下記のリンクからご確認ください。
○比謝川流域 ・比謝川取水ポンプ場
・大工廻(ダクジャク)川 (比謝川合流前)
○長田川流域 ・長田川取水ポンプ場
○嘉手納井戸群 ・硬度低減化施設入口(北谷浄水場内)
○天願川流域 ・川崎取水ポンプ場
比謝川・長田川流域の調査地点
天願川流域の調査地点
取組3 嘉手納基地内調査のための立入申請
嘉手納基地周辺を流れる比謝川や嘉手納基地内から流れる比謝川支流の大工廻(ダクジャク)川や基地内の嘉手納井戸群のPFOS等濃度が高いことから、その発生源は嘉手納基地内の可能性が高いと考えています。そのため、根本的な解決のためには基地内での調査が必要不可欠と考え、平成28年6月に立入調査のための申請を行いました。
しかし、1回目の申請から4年経過後も水源水質に改善はみられず、令和2年4月1日に厚生労働省が「PFOS及びPFOA」の暫定目標値を定めたことを踏まえ、令和2年5月18日付で再度、立入調査の申請を行っています。
このほか、関係部局と連携して、令和元年6月、令和3年2月、令和4年7月と令和6年1月に関係大臣及び米軍に対し、立入調査を認めることや汚染原因の究明と必要な対策の実施等を要請しておりますが、現在まで立入調査は実現していません。
企業局では、基地内での調査の実現のため、国や米側に要請し続けるとともに、立入申請の進捗状況を防衛省ならびに沖縄防衛局に随時確認していきます。
取組4 嘉手納基地周辺地下水調査
有機フッ素化合物(PFOS等)が嘉手納基地周辺を流れる比謝川や基地内の嘉手納井戸群において、他水源と比較して高濃度で検出され、浄水からも検出されています。この状況につきまして、企業局では平成29年度から平成30年度にかけ、「嘉手納基地周辺地下水調査業務委託」及び「嘉手納基地周辺地下水調査業務委託(その2)」を実施し、嘉手納基地周辺の地下水の現況(地下水位、流動状況、水質)を把握し、汚染の原因について、分析・調査を行いました。
その結果、基地外の地下水上流部より基地内を通過した下流部の方がPFOS等濃度が高いことが分かりました。
取組5 比謝川取水ポンプ場周辺及び川崎取水ポンプ場周辺のPFOS等の臨時調査
北谷浄水場の水源である比謝川と天願川の状況を把握する目的で、比謝川取水ポンプ場と川崎取水ポンプ場の周辺についても臨時で調査を行っています。
・比謝川取水ポンプ場周辺のPFOS等の状況について
企業局で行っているPFOS等調査において、平成30年4月から長田川取水ポンプ場でPFOS等の濃度上昇がみられました。その理由として、当時渇水対策に伴う長田川の最大取水が行われており、長田川と比謝川の下流にある比謝川下流堰から回り込む比謝川河川水の影響が考えられました。しかし、比謝川取水ポンプ場での濃度を大きく上回る値も確認されたため、比謝川取水ポンプ場を中心に周辺地域の調査を臨時で行いました。
その結果、調査した19地点のうち13地点において当時の米国環境保護庁の飲料水に係る生涯健康勧告値(70ng/L)を上回る値が確認されました。
この他、大工廻(ダクジャク)川の影響を確認する目的で、大工廻(ダクジャク)川が合流する上流と下流についても臨時で調査を行っています。
その結果、大工廻(ダクジャク)川が合流する上流においても、若干のPFOS等が検出されています。
・川崎取水ポンプ場周辺のPFOS等の状況について
川崎取水ポンプ場において取水している天願川では、比謝川取水ポンプ場と比べて高濃度ではないものの一定程度のPFOS等が検出されていることから、天願川の上流で、平成28年12月から平成29年4月にかけて3回調査を行いました。
その結果、調査した13地点のうち10地点において70ng/Lを上回る値が確認されました。
これらの結果は、関係機関へ速やかに情報提供を行い、地元への説明を行うなど、連携して対応しました。
取組6 活性炭処理による低減
北谷浄水場の粒状活性炭吸着池はトリハロメタンや臭気物質対策を目的として整備された施設ですが、これまでの調査でPFOS等の吸着低減効果があることが確認されています。そこで企業局では粒状活性炭の定期的な取替えを行い、PFOS等の低減化を図っています。また、これまで硬度の低減処理のみを行っていた嘉手納井戸群の水(硬度低減化施設処理水)についても、令和2年7月から浄水場内の流路を切り替えて粒状活性炭処理を行うことで濃度の低減を図っています。
北谷浄水場及び硬度低減化施設の浄水処理工程図
取組7 PFOS等吸着に適した活性炭の導入(防衛省補助)
これまでに実施した粒状活性炭池に関する調査において、活性炭の種類によりPFOS等吸着能力が異なる傾向にあったことから、令和元年度から2年度にかけて防衛省補助(民生安定施設整備事業)を活用した詳細調査(実施設計業務)を行い、北谷浄水場の水処理に適した、より高いPFOS等吸着性能を期待できる活性炭の検討を行いました。設計された活性炭は、引き続き防衛省補助を活用し、令和5年度までに全16池の活性炭池へ導入しました。
取組8 期別水利権について
現在、企業局では、昭和50年の供用開始から45年以上が経過し、老朽化が進んでいる東系列導水路トンネルの改築工事を実施しています。
東系列導水路トンネルは福地ダム(北部5ダム)から久志浄水場へ、一日の需要量の約半分を導水している重要な管路で、老朽化対策は大変重要なものとなっています。
改築工事の施工には、一定の期間が必要になること、また北部ダム等からの導水量が制限されることから、比較的、水道の使用量が減る冬場の3ヶ月間、毎年部分的に実施することとしています。
そのため、この改築工事期間中は北部ダム等からの導水量が不足することから、その不足分を補うために、導水の制限を受けない中部に位置する倉敷ダム等からの取水量を増量しながら対応していますが、不足分を補うには十分な量とはなっておらず、海水淡水化施設を増量運転しながら、やむを得ず中部河川等を取水せざるを得ない状況となっています。
今回の水利権変更は、制限される福地ダムからの導水量を、当該工事期間中、導水の制限を受けない漢那ダム・金武ダムから一定量補えるようにするためのものです。
これにより、ダム水の増量が可能となることで中部水源等の取水抑制に繋がり、PFOS等の低減が期待できるものと考えています。
この水利権変更の申請を令和3年11月16日に沖縄総合事務局へ申請し、翌月17日に許可されています。
取組9 新たな規制の調査
企業局では、これまで残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)におけるPFOS等の規制をはじめとした国内外での動きに注視しつつ、PFOS等に係る分析方法の開発と、浄水場及び水源における実態調査に取り組んできました。
その中で、国内の水道水質における基準値等が定まらない期間においては、暫定的に米国環境保護庁(USEPA)の暫定健康勧告値を参考として水質管理を行い、POPs条約において新たにPFHxSの規制の動きが確認された時期においては、独自にPFHxSの検査体制を整え実態調査に組み入れる等の対応を行ってきたところです。
今般、USEPAにおいては2024年4月10日にPFAS規制に関する公表があり、その中で、新たにPFNA、GenX化合物及びPFBS等についても、規制値が示されました。企業局では今後ともこのような情報収集に取り組むとともに、世界的な規制の動きに対応できるよう新たな物質に対する分析方法の開発に向け検討を行っていきたいと考えています。
《参考》
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11.PFOS等問題の経緯
PFOS、PFOAについては中央環境審議会化学物質小委員会で「指定化学物質」相当との判断があり、また反復毒性も有ると確認されたことから、環境省が2002年(H14)に全国のPFOS等の環境汚染実態調査を始めました。
また、厚生労働省は2007年(H19)から全国の浄水場(原水・浄水)の調査を始めています。これらの結果から国内にもPFOS等が環境中に広く存在していることが確認されました。
これを受けて、企業局でも2007年(H19)に検査が可能か検討を始め、試験的に検査したところ、嘉手納のK-16井戸において、大きな検出ピークが確認されたことから、念のためK-16からの取水を停止しました。しかし、当時は国内において、検査方法が定められておらず、その時の検査精度に信頼性が無いことに加え、国内に基準値等が無かったことから、検出されたピークについて評価することが出来ませんでした。
その後、2009年(H21)にPFOSがストックホルム条約(POPs条約)の付属書Bに追加され、米国では暫定健康勧告値が200ng/Lと設定されました。国内では水道水質基準の要検討項目に追加され、翌年の2010年(H22)には、PFOSの製造・使用・輸出入が原則禁止されました。
これらの情勢を踏まえ、企業局では2014年(H26)2月に検査態勢を確立し、実態を把握するための調査を開始しました。
調査が進むにつれて、比謝川流域のPFOS等濃度が高いことが分かり、その発生源を明確にするための検査やデータ収集を行い、汚染源は嘉手納基地の可能性が高いとの結果が得られたことから、2016年(H28)1月に公表するに至りました。
その後、汚染原因調査のための基地内への立入申請を、2016年(H28)6月と2020年(R2)5月の2回行っておりますが、現在に至るまで立入は認められていません。
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12.PFOS等に関連する調査研究実績
企業局ではPFOS等について調査・研究を行っており、これまで以下のような報告・発表を行っています。
◎全国会議(水道研究発表会) - 公益社団法人日本水道協会主催
・平成30年度
8-18 比謝川流域における有機フッ素化合物調査
8-19 粒状活性炭処理による有機フッ素化合物除去性の評価
・令和元年度
8-52 比謝川流域における有機フッ素化合物調査(Ⅱ)
・令和2年度(コロナ禍のため、発表会は開催されておらず、要旨のみの公開となっています。)
4-15 粒状活性炭処理における有機フッ素化合物の除去性能評価(Ⅱ)
8-35 直接注入法による有機フッ素化合物の一斉分析方法の検討及び妥当性評価
・令和3年度
直接注入法における長鎖有機フッ素化合物の前処理方法の検討
・令和4年度
4-25 RSSCT法を用いた市販粒状活性炭のPFOS等吸着性能評価(Ⅱ)
・令和5年度
8-9 粒状活性炭処理における有機フッ素化合物吸着性能の評価(Ⅱ)
◎厚生労働科学研究 - 厚生労働省事業
・令和2年度から令和4年度
健康安全・危機管理対策総合研究事業
「化学物質等の検出状況を踏まえた水道水質管理のための総合研究 Ⅳ.化学物質・農薬分科会」へ研究協力者として参加
・令和5年度から
環境省受託調査研究
「水道水及び原水における化学物質等の実態を踏まえた水質管理の向上に資する調査検討業務 化学物質・農薬分科会」へ研究協力者として参加
◎環境研究総合推進費 - 独立行政法人環境再生保全機構事業
・令和3年度から令和5年度
環境問題対応型研究
「土壌・水系における有機フッ素化合物類に関する挙動予測手法と効率的除去技術の開発」へ研究分担者として参加
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13.県関係機関のPFOS等関連情報
○県環境部 環境保全課
○県土木建築部 下水道事務所
○県保健医療介護部 健康長寿課
○県保健医療介護部 衛生環境研究所
○県総務部 管財課
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