ホーム > 沖縄の水フォトギャラリー > 第3回 デジタルフォトコンテスト入賞作品
平成19年8月15日、テーマ「水道」や「水」を題材として、親しみが感じられ、その大切さについて再認識を促す作品。ということで審査員6人による厳正なる審査が行われました。
作品の応募は、一回、二回、三回と着実に応募数を伸ばし、第一回が123点で、今回が571点で約4.6倍となりました。そして、そのうち今回の応募点数の201点、約3分の1が学生であり、若者の展示会離れが見られる昨今、大変喜ばしい限りであります。
これも気軽にパソコンや携帯からの応募できるということと、「水の大切さを促す作品」ということで作品そのものでストレートフォトでなくともテーマに沿って創り上げたものでもよいというところに、出品の気軽さがあるかも知れません。
水は、時には台風や水害で私達にとって脅威にもなりえますが、なくてはならない命の源であります。そして、その源である水に親しみを感じるところがこの展示会の命題とするところであります。
水の写真展は決して写真の技量の良し悪しだけで決めている訳ではありません。技量も大切ですが、いかにテーマとあっているかも大事です。あの写真の方が良かったのにという写真がきっとあると思います。貴方の写真が悪かったのではありません。もっともっとあなたの主張を写真でぶつけてみてください。審査員も一生懸命審査します。
平成19年8月15日 審査
審査委員長 安里盛昭
※写真をクリックすると、大きな画像が表示されます。
「水辺の宴会」 城間 丸夢
講評
第一回、二回とも最優秀賞に上がったものは人間の日常生活に関わるものでありました。
今回は、最優秀賞、優秀賞ともネイチャーフォトが占めていますが、生命の源である水との関りからいうと全く同じといえるかも知れません。
日本で一番多い水カメというとミシシッピー赤耳亀です。繁殖力旺盛な外来種で、やがて淘汰される生物の一つかも知れませんが、水辺に亀を発見すると殆ど赤耳亀であり、今一番水に関係深いカメかも知れません。
写真は、その亀が池の中に積まれた小石の上であたかも宴会をしているかのように集うのを、物語り風にみせた写真です。
写真で入賞するには、まず審査員の目を引くことが大切です。この写真においては幸いか、水の淀んだ色に対し、石の色の黄色が強く、画面の中央でドカンと座り、審査員のアイキャッチをしたと考えられます。それが第一で、そして画面が非常にシンプルな構成で、リーダーらしき亀がいて向き合った所が会合らしく、分かりやすかったということでしょう。
そしてこれも学生の写真であり今後に期待がもてます。
「雨上がりのさんぽ」 石垣 洋子
講評
カタツムリがあおい木の枝を這い、その下に水滴があり、非常に清涼感のある写真です。また、バックが被写界深度が浅く単純化されたのも主題を浮き上がらせました。
「真夏日」 長堂 嘉秀
講評
ベテランらしい写真で、水を強調するためにわざと逆光を選んだのが良く分かります。そのために沈んだバックの陰も吹き出る噴水のみずしぶきを助けました。そこで遊ぶ子供達もシュルエットであるが故により水の冷たさを感じさせます。
歴史上有名な写真家モホリナギは「中間色のない写真こそ、その写真の持つ意味がおおきくなる」といってフォトグラムという写真をつくりあげました。これも影絵であるが故にその夏日の意味をより大きく物語ったかもしれません。
「オアシス」 上原 梨乃
講評
携帯電話での撮影でしょうか、もう少し二匹目の蜂まで被写界深度が欲しかったです。
生きるための水分補給、どんな小さな世界でも生き物の世界は同じです。水の大切さを表現するに素晴しい被写体です。構図もなかなかの物ですが、前述の通り深度の問題が惜しまれます。
「JUMP」 比嘉 たか子
講評
高校生らしい写真です。最初、写真甲子園に出された写真の一枚かと思いました。確か学生服のままプールの中で撮った写真がり、おもしろいいい写真だと思いました。
この写真を見ているとそんなに目を奪われる写真ではありませんが、テーマの水との関わりで選ばれた所以があったと思います。写真的な魅力から言えば、水 との距離感があってJUMPして宙に舞った写真だったら更に迫力が出たでしょう。本人も言っているように「勢い良く飛び出す瞬間を撮りました」と。
ここまで面白いことを考えるなら、もう少し工夫して写真を勉強すればもっと良い写真が撮れます。頑張りましょう。
「天の恵み」 新里 英治
講評
金武大川の写真です。泉として水の豊富さにはいつも圧倒されます。
水口の樋を全面にして水の質量を前面に出し、それに関わる人間を遠くおくのと、人間を手前に持ってくるのとは表現の方法がまるっきり違ってくるでしょ う。作者は敢えて人間を遠くにやって流れ出る水の樋のパースペクティブ(遠近)を強調してみせたところが良かったと思います。
次は人間を前面に出して水との関わりを表現してみましょう
「きれいになった」 幸地 右雅
講評
コマーシャルフォト的な写真でサンダルもきれいになり、ほんとに綺麗な写真です。手に巻き付いた紐みたいなものはわずらわしいですが、フレームの切り方はとても良いと思います。欲をいうと、水の白いしぶきが少しあったら涼しさも感じたでしょうね。
「おミジュつめたいネ」 多嘉良 隆
講評
滝口で遊ぶ親子でしょうか、真ん中に人物を配置し日の丸写真といわれる写真ですが、綺麗な写真で清涼感が伝わってきます。
「魚捕り」 吉直 新一郎
講評
対岸の陸地と対角状に影を持って来てバランスを取った所がとても素晴しく思います。
その中に魚を捕る子どもと画面上方に子どもを一人配置した構成もなかなかのものです。
このような小川も、都心部には少なくなりました。それだけに周辺の山あいが思い浮かびます。
「節水バケツ風呂」
上原 之映
「百歳の畑帰り」
金城 紀
「流れ」
金城 光友
「私と水と雲」
伊波 信之祐
「犬の夏休み」
平良 啓一郎
「ありがとう!水さん」
仲間 美友
「聞こえてくる水が奏でる協和音」
大城 睦子
「水遊び」
松山 朝雄
「なみだ」
宮里 優希
「クモのビーズ作り」
棚原 千絵
「祖父の姿」
大城 千夏
「ノド乾いたなぁ」
町田 はるか
「夏が来た♪♪」
大城 千尋
「聖域の水」
立石 秀彦
「自然の恵みに集う」
幸地 香世子
「黄昏」 古市 聖恵
講評
沖縄の夏場の一日はとても長く感じます。黄昏時にはまだ早い時間帯にも感じますが、そうかもしれません。えさを待つ子どものために黄昏れ時、小さな滝口に小魚を追うバンの母親、何か人間的なものを感じさせてくれます。
あまり構図には捕らわれたくはないが、バンと滝口を少し左に寄せ画面の上の方を切り詰め、滝口手前を広く見せた方が良いと思います。
「涼水」 藤田祐介
講評
琉球ガラスで呑む水も大変美味しかったでしょうね。「ガラスの色が海を連想させるから」と藤田君はいっています。目的の写真を撮るのに頭の中で考えることはとても良いことです。
それにバックに窓があり逆行になって、光が水やガラスを透過しているのがとても良かったと思います。
下に敷いた色がもっと明るい色だったら、ガラスも水もまだまだ綺麗に撮れたでしょう。これからもどうしたら良い写真が撮れるか考えて撮りましょう。
「はなびら」 山口翔平
講評
終わりかけた花びらも水をはって浮かべてやると生き生きします。翔平君は水の力を表現しようと思ったのかな、翔平君の作品も、藤田君と同じでガラス器の中ですね。
下から光が入って透過(逆光)した光で撮るととても綺麗な写真になると思います。
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