昭和47年の日本復帰に際し、琉球水道公社が行っていた工業用水道事業(天願川を水源とし、沖縄石油精製(株)その他与勝地域に立地する工場等へ給水していた)を企業局が承継し、与勝工業用水道として運営していましたが、昭和52年3月31日、現在の沖縄工業用水道へ統合されました。
沖縄振興開発計画の中で、本県の雇用機会の拡大及び県民所得の向上を図るため、産業基盤の整備及び企業の立地促進が重要な課題とされ、工業用水道についても基盤整備の一環として建設が推進されました。
沖縄工業用水道は、福地ダム等の北部ダムに水源を求め、金武湾及び中城湾沿岸地域に立地する企業へ105,000m3/日の工業用水を供給する目的で計画され、昭和47年8月、工業用水道事業法に基づく届出を行いました。
しかし、産業構造の変化により用水多消費型の企業立地が進まなかったことや、受水企業の多くが中小零細企業のため、工業用水需要は低迷しています。
今後とも飛躍的な需要の増加が見込めないことから、平成15年10月、県観光商工部(旧県商工労働部)は工業用水需要の見直しを行いました。県の見直しを受け、企業局では事業再評価委員会を開催し、今後の事業のあり方について検討しました。その結果、平成16年5月、計画供給量をこれまでの 105,000m3/日から30,000m3/日に見直すとともに、見直しにより余剰となった施設を水道事業へ平成16年8月31日に転用しました。
水源の福地ダム、新川ダム、安波ダム、普久川ダム、辺野喜ダムは昭和62年度までに完成し、水源については計画の105,000m3/日のうち63,600m3/日が完成しています。
導水施設、送水施設は昭和52年度までに完成、久志浄水場は昭和50年度に一部完成しており、供給施設については105,000m3/日のほぼ全部が完成しました。沖縄工業用水道としては昭和51年11月に一部給水を開始しました。
また、昭和61年度に糸満工業団地及びその周辺地域へ給水するための送・配水施設の建設に着手し、平成元年度に完成、供用を開始しました。平成4年 度には中城湾港工業団地の配水管布設に着手し、平成6年度から給水を開始しました。平成12年度から平成21年度までかけて行われた名護西海岸地区工業用 水整備事業の完了により、沖縄本島の工業用水道の幹線整備は一通り完成となりました。
なお、平成16年5月の事業変更届の提出により、施設規模はこれまでの水源施設63,600m3/日、供給施設105,000m3/日からともに30,000m3/日となりました。
沖縄県では、契約水量は1日100m3以上(管理者が特に必要があると認めたものを除く)とし、将来にわたって安定した給水を確保するため、責任水量制を採用しています。また、料金は基本料金及び超過料金に消費税を加算して、ひと月ごとに納付していただきます。
基本料金 | 35円/m3 |
---|---|
超過料金 | 70円/m3 |
責任水量制
契約水量の全部又は一部を使用しなかった場合でも、契約水量まで使用したものとみなして料金を負担していただく制度です。
なお、料金改定等の推移は下表のとおりです。
事業名 | 1m3当たり 基本料金 |
1m3当たり 超過料金 |
|
---|---|---|---|
昭和47年5月15日 (設定) | 与勝工業用水道 (現在廃止) |
12.09円 | 4.03円 |
昭和51年11月1日 (設定) | 沖縄工業用水道 | 26.50円 | 53.00円 |
昭和59年4月1日 (改定) | 沖縄工業用水道 | 35.00円 | 70.00円 |
平成元年4月1日 (改定) | 沖縄工業用水道 | 35.00円 (a) |
70.00円 (b) |
a、bの合計額×(103/100) | |||
平成9年6月1日 (改定) | 沖縄工業用水道 | 35.00円 (a) |
70.00円 (b) |
a、bの合計額×(105/100) | |||
平成26年4月1日 (改定) | 沖縄工業用水道 | 35.00円 (a) |
70.00円 (b) |
a、bの合計額×(108/100) | |||
令和元年10月1日 (改定) | 沖縄工業用水道 | 35.00円 (a) |
70.00円 (b) |
a、bの合計額×(110/100) |
名護市 宜野座村 金武町 うるま市 沖縄市 北中城村 中城村 西原町
南風原町 与那原町 南城市(旧佐敷町・旧大里村区域) 八重瀬(旧東風平町区域) 糸満市
工業用水の供給を受けることができる者は、給水区域において工業を営む者で次に該当するものです。
また、工業以外でも雑用水として、下水道処理場やごみ焼却場などの公共施設、クリーニング業、運送業、スーパーやショッピングセンターなどの産業の健全な発展に資する施設については、条件付きながら使用することができます。
注 ここでいう「工業」とは、製造業(物品の加工修理業を含む)、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業をいい、「工業用水」とは工業の用に供する水(水力発電の用に供するもの及び人の飲用に適する水として供給するものを除く)をいいます。
水質は下表のとおりです
水温(℃) | 常温 |
---|---|
濁度(度) | 20以下 |
PH(-logH) | 6.5~8.0 |
アルカリ度(mg/l) | 75以下 |
硬度(mg/l) | 120以下 |
蒸発残留物(mg/l) | 250以下 |
塩素イオン(mg/l) | 80以下 |
鉄(mg/l) | 3.0以下 |
水圧は0.05メガパスカル以上(配水管末における最低水圧)となっています。
使用者等の給水申し込みによって新たに配水管の設置が必要となる場合は、その設置に要する費用の全部又は一部を使用者等が負担することになっています。
工業用水を受水するにあたっては、次のような手続きが必要となります。給水申し込みから給水開始までには時間を要しますので、お早めにお申し込み下さい。
工業用水の申込方法
申し込みの流れ
給水申込 → 給水施設設置に関する協議 → 給水開始
沖縄県企業局 配水管理課
〒900-8570 那覇市泉崎1-2-2(県庁12階)
TEL:098-866-2810
FAX:098-866-2811
E-mail:haisui@eb.pref.okinawa.lg.jp
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