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水道用水供給事業

事業の概要

1 沿革

 戦後の沖縄県における水道事業は那覇市の一部で行われている程度でしたが、1958年(昭和33年)、企業局の前身である琉球水道公社が設立され、米軍が軍施設へ給水するために建設した全島統合上水道から浄水を購入し、市町村へ給水を開始したことにより水道が大幅に普及しました。

 その後、全島統合上水道は琉球水道公社によって拡張され、米軍により建設された施設も大半が琉球水道公社へ移管されました。

 昭和47年5月15日、沖縄の復帰に伴い、「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」に基づき、琉球水道公社の財産、その他の権利及び義務は、政令で定めるもの(福地ダムに係る財産、その他の権利義務)を除き、沖縄県が承継することとなり、沖縄県公営企業の設置等に関する条例により沖縄県企業局が設置され、水道用水供給事業の認可を得て市町村への水道用水の供給を開始しました。

2 事業計画の変遷

 水道法(昭和32年法律第177号)第26条の規定により、水道用水供給事業を経営しようとする場合は、厚生労働大臣の認可を受けなければなりません。

 沖縄県は、復帰の際に水道用水供給事業を創設して以来これまで、給水対象の増加や、それに伴う施設の拡張、高度浄水処理施設の導入等のため11回にわたり事業変更認可を受けています。

 その変遷は、次表のとおりです。

- 認可年月日 目標年度 給水対象 計画給水人口
(人)
計画一日
最大給水量
(m3)
創設 昭和47年
5月15日
昭和55年 8市1町14村
1組合
571,800 224,500
第1回変更認可
(第1次拡張)
昭和47年
12月16日
昭和55年   780,000 450,600
第2回変更認可
(第2次拡張)
昭和48年
11月26日
昭和55年 8市2町15村
1企業団
957,200 450,600
第3回変更認可 昭和52年
4月7日
昭和55年 8市3町15村
1企業団
971,868 443,600
第4回変更認可
(第3次拡張)
昭和56年
2月4日
平成元年 8市4町14村
1企業団
1,120,485 578,000
第5回変更認可 昭和63年
7月28日
平成13年 8市8町10村
1企業団
1,180,500 583,000
第6回変更認可 平成3年
3月29日
平成13年      
第7回変更認可 平成6年
3月7日
平成13年      
第8回変更認可
(第4次拡張)
平成11年
3月18日
平成30年 8市9町9村
1企業団
1,314,809 656,500
第9回変更認可 平成16年
7月30日
平成30年 9市9町8村
1企業団
1,266,963 602,000
第10回変更認可 平成23年
3月29日
平成37年 9市6町6村
1企業団
1,296,877 582,500
第11回変更認可
(第5次拡張)
平成28年
3月31日
平成37年 9市6町14村
1企業団
1,303,818 589,000
  • 注1.第6回変更認可は、取水地点の変更のみ。
  • 注2.第7回変更認可は、億首ダム、大保ダム及び奥間ダムの建設に係る基本計画の策定に伴い、水源の種別及び取水地点を変更。
  • 注3.第10回変更認可における給水対象の変更は、市町村合併によるものであり、給水対象区域に変更はない。
  • 注4.第11回変更認可における変更は、水道広域化に伴う本島周辺離島8村への用水供給事業の拡大によるものである。

3 水道施設建設の概要

昭和47年度から沖縄振興開発計画の下で復帰後の水道建設が始まりました。

 復帰と同時に国の直轄事業である北部ダム群の建設と並行して、福地~久志 導水路トンネル、久志浄水場、久志~石川導水管、石川浄水場拡張等の東系列事業の建設が始まり、その後、石川~西原導水管、西原浄水場、西原~前田送水管 等が建設され、昭和50年度から52年度にかけて供用開始されました。昭和54年度に西原浄水場の全部が完成し、東系列事業は完了しました。

 また、昭和50年の沖縄国際海洋博覧会開催に向けて、昭和48年度から昭和50年度にかけて名護浄水場、本部半島送水施設が建設されました。

 昭和55年度には、新規水源開発として西系列水源開発事業が開始され、西系列12河川の開発、導水施設、瑞慶山ダム再開発事業、北谷浄水場、関連送 水施設の建設が進められています。西系列河川の開発は完了し、北谷浄水場は平成元年度に完成しました。また、北谷浄水場では昭和63年度から建設を進めて きた高度浄水処理施設が平成6年度に完成し、供用を開始しました。瑞慶山ダム再開発事業は平成7年度に完了し、平成8年度から県管理の倉敷ダムとして運用 を開始しました。導水施設は、平成22年度までに完成し、西系列水源開発事業が完了しました

 平成3年度には、水源、供給施設の効率的運用を目的とする水管理センターが設置されました。また、多角的水源開発の一環として海水淡水化施設建設事 業が平成4年度に開始されました。平成5年度に建設に着手し、平成7年度には日量10,000立方メートルの一部供用を開始しました。平成8年度の工事完 成により、平成9年度から日量40,000立方メートルの造水が可能となりました。これは、本県の水事情を大きく緩和する画期的なものです。

 多目的ダムの建設については、北部5ダム、漢那ダム、羽地ダムに加え、平成23年度から大保ダム、平成26年度から金武ダムが供用を開始しています。

 平成15年度には、北谷浄水場に硬度低減化施設が導入され、本島中南部のおよそ45万人に水質硬度の低減された水の供給が可能となりました。

 平成12年度から事業に着手した新石川浄水場は、平成23年11月に通常処理の供用を開始しました。また、より安全でおいしい水の供給のため高度浄水処理施設を平成27年6月より供用開始しています。

 供用開始から約20年が経過した北谷浄水場については、平成21年度より施設の最適化及び耐震化を目的とした整備事業に着手しています。

料金

1 料金のしくみ

水道事業は、電気事業やガス事業と同じように多くの設備が必要です。

 水道事業には、ダムや浄水場、管路などの施設をつくることによる減価償却費、それらの施設などをつくるために借りた資金の支払利息、さらに施設の維持管理費や職員の人件費などの費用がかかります。

 水道は、道路やその他の社会資本と異なり利用者が決まっていますから、これらの建設費、維持管理費は水道料金でまかなわれることになっています。これを「独立採算制」といいます。

 企業局の用水供給事業、市町村の水道事業はいずれも独立採算制で運営されています。

2 料金改定等の推移

 復帰後の料金改定等の推移は、下表のとおりです。

実施年月日 1立方メートル当たりの金額(円) 改定率
(%)
備考
市町村、企業団 直接給水
昭和47年
5月15日
17.84      
昭和50年
7月1日
35.60 56.79 99.55  
昭和53年
1月1日
59.72 95.27 67.75  
昭和56年
9月1日
78.92 125.90 32.15  
平成元年
10月1日
78.92×103/100 - - 消費税の導入
平成5年
6月1日
102.24×103/100 - 29.56  
平成9年
6月1日
102.24×105/100 - - 消費税の改定及び地方消費税の導入
平成26年
4月1日
102.24×108/100 - - 消費税及び地方消費税の税率の改正
令和元年
10月1日
102.24×110/100 - - 消費税及び地方消費税の税率の改正
令和6年
10月1日
125.24×110/100 - 22.50 ただし、令和6年度中は減免措置により、
120.03×110/100(改定率17.40%)
令和8年
4月1日
135.70×110/100 - 8.35  

3 料金比較

 令和4年度における全国(21府県営用水供給事業の平均)の料金(供給単価)との比較
  沖縄県企業局 102.24 円/立方メートル
  全国平均     81.84 円/立方メートル

 沖縄県企業局の供給単価が全国よりも高い主な理由は次のとおりと考えられます。
  • 沖縄本島は南北に細長く、北部地域にある水源地と消費地である中南部が遠く離れていることから、管路延長が長く、多くの増圧ポンプ場を有している。
  • 小規模な水源からも取水しているため、ポンプ施設が全国と比較して多くなっている。
  • 本島周辺離島においては良質な水源に乏しく膜処理による費用がかかる。


供給単価:給水収益を有収水量で除いたもの

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