【水のじゅんかん】
雲は、空にある水じょう気が冷え、小さな雨つぶになって集まったものです。
1 | 雨つぶが大きくなって、重たくなると、雨や雪になって地面に落ちます。 |
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2 | 陸地にふった雨は、川から海に流れ出たり、池にたまったり、地下にしみこんだりします。 |
3 | すると、その水は太陽の熱であたためられ、地面からも海面からも、水じょう気になって空にのぼります。土の中の水も、植物の根を通って葉っぱなどからじょう発します。 |
4 | 空にのぼった水じょう気は、冷えて小さな水になると、たくさん集まって雲をつくります。 |
地上に落ちた雨がまた雨になるまでの、このような水のじゅんかんは、1年間におよそ40回も、くりかえされているといわれています(高良初喜・佐々木正和『沖縄の気象と天気』むぎ社)。
首里(しゅり)・那覇(なは)を中心にした沖縄本島の中南部では、昔から開発が進められてきましたが、きびしい自然が開発をはばんできた本島北部では、そのおかげで今もゆたかな山や川が残っているといえます。
“山原(ヤンバル)”とよばれる沖縄本島の北部は、深い山々が続き、清らかな川がたくさん流れるところです。雨の量も多く、一度ふった雨は豊かな森の中で長い間土の中にたくわえられることから、「沖縄の水がめ」の役目をしているといえます。
南北に細長い沖縄本島では、水を取りまく様子が、北部と南部で大きくことなっています。ゆたかな北部の水は、人口がふえてかんきょうの悪化が進む中南部に送られ、家庭や学校の水、工場などの水として使われているのです。
沖縄本島の中南部のくらしは、北部のゆたかな水がなければ成り立たないかもしれません。
国頭村(くにがみそん)の山
国頭村(くにがみそん)にある比地川(ひじがわ)
那覇市の町なみ
地下水をくみ上げている ポンプ室
地下水は、沖縄特有の琉球石かい岩のすき間にたまった水のことで、川の水よりもきれいです。川らしい川がほとんど見られない沖縄本島中南部や、宮古(みやこ)島などに多いといわれています。
しかし、地下水を利用するには、地面に穴を開けてパイプを通し、ポンプを使ってくみ上げなければなりません。
皆福地下ダム
ダムや川、地下水から、利用できるすべての水を集められるようになったとしても、しょう来は水が不足すると考えられています。
そこで、新しい水の開発として考えられたのが、地下水を利用する「地下ダム」や、海水を真水にかえる「海水たん水化しせつ」です。
地下ダムは、農業で使う水を得るために、1979(昭和54)年、宮古(みやこ)島の地下に完成しました。沖縄ならではの琉球石かい岩を利用したこの皆福(みなふく)地下ダムは、地下にたまった雨水が、3ヵ月以上たって地上にわき出てくる仕組みを利用したもので、世界初の地下ダムとして話題となりました。
また、海水たん水化しせつは、北谷(ちゃたん)町や各地の離島(りとう)で建せつされています。
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