水源から取水した原水は、浄水場できれいに処理して、飲むことのできる水になります。
安全で安心な水を供給するため、浄水場は年中無休で稼働しています。
また、高度浄水処理を始めとする「さらに進んだ水づくり」にも取り組んでいます。
企業局では、水源から取水した原水を浄水場で浄水処理して、水道用水として各市町村へ供給しています。
工業用水は、久志浄水場で一次的な処理をしたあと、企業などに供給しています。
※久志浄水場では、(1)の着水井から(2)の混和池・沈でん池までの処理を行い、(3)と(4)の工程はありません
(1) 着水井 | 沈でん池に流れる水の量を調節します |
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(2) 混和池・沈でん池 | 薬品を混ぜ、水中のゴミなどを沈でんさせて、取り除きます |
(3) ろ過池 | さらに、小さな不純物や細菌を砂の層などに通して、取り除きます |
(4) 塩素注入設備 | 塩素を入れて消毒し、安心して飲める水にします |
(5) 浄水池 | きれいになった水を一時的に蓄えておきます |
(6) 送水ポンプ | 浄水池の水をポンプで調整池などに送ります |
久志浄水場は、1日当たりの処理能力35万1,400㎥を有する県下最大の上水道と工業用水道の共同施設として、本島北部名護市の東海岸に建設され、昭和50年度に供用を開始しました。
水源は、福地ダム等の北部ダム群及び北部河川で、同浄水場で沈でん処理した水は、一部を工場等に工業用水として供給し、大半を石川・北谷・西原の各浄水場に上水道の原水として送水しています。
名護浄水場は、沖縄本島北部の名護市にあり、昭和50年に1日当たりの処理能力1万4,000㎥の施設として建設されました。
平成7年度には、その後の水需要に対応するため、1日当たり2万7,000㎥の施設となりました。
また、カビ臭対策のため粉末活性炭注入施設及び粉末活性炭接触池を平成29年3月から供用を開始しました。
水源は、主に平南川や源河川、羽地ダムで、名護市を始め、北部5市町村に供給しています。
施設見学のごあんない | 石川浄水場開放施設 | 連絡先・所在地(石川浄水場)
石川浄水場では、トリハロメタン低減化対策として、水源水質に適切に対応するため、高度浄水処理施設を導入しています。
石川浄水場の高度浄水処理は、沈でん・ろ過・塩素処理の工程で行われる通常の浄水処理に加えて、オゾン処理と粒状活性炭処理でトリハロメタン前駆物質(※)と異臭味(カビ臭等)を除去したあと、砂ろ過で濁質等を除去することで、より安全で安心な水の供給が可能となります。
(※)原水中には、有機物がごくわずかに含まれています。これに消毒剤として塩素を注入すると、塩素が有機物と反応してトリハロメタンを生成します。
北谷浄水場は、沖縄本島中部の北谷町にあり、昭和62年に供用開始されました。現在、1日当たり24万7,300㎥の送水能力を持ち、水道用水では県下最大規模の浄水場で、オゾン・活性炭処理の高度浄水処理施設を有しています。
また、水道水の安定供給を図る目的で、海水淡水化センターが平成9年4月から1日当たり4万㎥の海水淡水化水をつくる国内最大級の施設として供用を開始しました。
さらに、硬度平準化対策の一環として硬度低減化施設が、平成15年6月から供用を開始し、硬度を低減した水を供給することが可能となりました。
水源は、西系列・中部河川、倉敷ダムや嘉手納井戸群等で、各処理工程を経て浄水された水は、海水淡水化水とブレンドされ、北谷町を始めとする中部と南部の7市町村に供給しています。
北谷浄水場の水源の一部になっている比謝川や長田川、そして天願川は、かつて、水質が年々悪化してきていたため、通常の処理工程では対応が困難となっていました。
そこで、北谷浄水場では、沈でん・ろ過・塩素処理の工程で行われる通常の浄水処理に、河川の自浄作用を浄水処理に応用した生物処理(※1)、オゾンの酸化作用によりトリハロメタン生成(※2)の原因となる有機物を分解するオゾン処理、活性炭の持つ優れた吸着能力を利用した有機物などを吸着する粒状活性炭処理の3つからなる高度浄水処理を導入し、より安全で安心な水づくりに努めています。
(※1)平成16年度から生物接触池のブロワを停止中。
(※2)原水中には、有機物がごくわずかに含まれています。これに消毒剤として塩素を注入すると、塩素が有機物と反応してトリハロメタンを生成します。
沖縄本島中部地域にある嘉手納井戸群や天願川、比謝川などの水道水源は、一帯の石灰岩土壌の影響を受け、硬度が高くなっています。
これらの水道水源は、北谷浄水場に導水されるため、北谷浄水場系統の送水区域は、硬度の高い水となっていました。
そのため、企業局では硬度平準化対策の一環として、井戸水を対象とした硬度低減化施設を整備し、平成15年6月から硬度を低減して水を供給しています。
北谷浄水場系硬度低減化について | 地下水 | 硬度低減化における生成ペレットの有効活用
西原浄水場は、沖縄本島中部の西原町にあり、昭和52年6月に1日当たり4万100㎥で一部供用を開始しました。
その後、4期にわたる増設工事により、昭和55年3月から1日当たり16万500の処理が可能となりました。
同浄水場は、福地ダム等の北部ダム群を水源とし、久志浄水場で沈でん処理された原水を浄水処理して、西原町を始めとする中部と南部の9市町に供給しています。
平成17年6月には、喜仲調整池からの原水の落差エネルギーを利用した小水力発電設備も設置され、その電力は浄水場で有効利用し、電力費と環境への負担軽減を図っています。
また、同浄水場内には、1日当たり8,000㎥の工業用水専用の増圧ポンプ場があり、主に糸満工業団地に供給しています。
粟国浄水場は、沖縄本島の那覇から北西に位置する粟国島にあり、1日当たり600㎥の処理能力を有します。
同浄水場は粟国村が建設しましたが、水道広域化の取組に伴い企業局が譲り受けることになり、平成30年3月から企業局が管理、運営しています。
北大東浄水場は、沖縄本島の東方約360㎞に位置する北大東島にあり、1日当たり404㎥の処理能力を有し、令和2年3月から供給を開始しました。
阿嘉浄水場は、沖縄本島の那覇から西方に位置する阿嘉島にあり、1日当たり438㎥の処理能力を有し、令和3年3月から供給を開始しました。
南大東浄水場は、沖縄本島の東方約400kmに位置する南大東島にあり、1日当たり725㎥の処理能力を有し、令和5年2月から供用を開始しました。